「ナインアワーズ人形町」は、人形町通りや甘酒横丁で知られる、多くの商店や飲食店が連なる商業エリアに位置している。
ここでは、そうした魅力的な都市に繰り出すトランジットの時間、つまりナインアワーズのコンセプト、1h（シャワー）＋7h（睡眠） ＋ 1h（身支度）という3つの基本行動を快適に繋いでいく「導線空間」をインテリアの主役として考えた。そこで、交差点角地から生まれた接道側（窓側）のR面に、あえて流れるようなロッカールームを配置している。エレベーターを降りて、ファブリックで包まれた柔らかな空間を辿っていくと、ふいにカプセルルームが現れる。この一続きの空間体験が、今までにない新しい心地よさをもたらすと考えた。この他に、2Fにはシャワールームと一体になった女性専用ラウンジも設けている。機能的に処理されがちな空間こそ、 魅力的にしていくこと。そのアメニティを体感して欲しいと思っている。